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食品衛生責任者の取得方法を完全解説|申し込み・費用・日程・免除資格まで

飲食店を開業するには食品衛生責任者の選任が法律で義務付けられています。養成講習会の申し込み方法・受講費用・東京や大阪の開催日程・eラーニングの可否から、調理師・栄養士などの既存資格による講習免除の条件まで、取得の全ステップを初心者向けにわかりやすく解説。開業スケジュールの逆算にも役立てください。

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食品衛生責任者とは|食品衛生管理者との違いを先に整理する

飲食店の開業準備を進めていると、「食品衛生責任者」という言葉と「食品衛生管理者」という言葉を同時に目にして、どちらを取ればいいのか迷う方が少なくありません。まずこの混同を解消しておきましょう。

食品衛生責任者は、食品衛生法第51条に基づく食品衛生法施行規則(別表第17)により、飲食店や食品販売店などの食品営業施設ごとに選任が義務づけられている、いわば「施設の衛生管理の責任者」です。特別な前提資格は不要で、養成講習会を1日受講・修了すれば取得できます。なお、営業届出のみで営業できる一部の営業形態には、この選任義務が適用されない場合があります。

一方、食品衛生管理者は食品衛生法第48条に基づく国家資格水準の要件で、資格を得られるのは、①医師・歯科医師・薬剤師・獣医師、②大学等で医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学の課程を修めて卒業した者、③登録養成施設の課程修了者、④高卒等で対象業種での衛生管理業務に3年以上従事し登録講習会を修了した者、に限られます。配置が義務づけられているのは、食肉製品・乳製品(全粉乳・加糖粉乳・調製粉乳など)・食用油脂・マーガリンといった政令で指定された食品等を製造・加工する特定の施設であり、一般的な飲食店の開業には関係しません。

つまり、カフェ・居酒屋・ラーメン店・テイクアウト専門店など、一般的な飲食店を開業するために必要なのは「食品衛生責任者」です。「管理者」のキーワードで検索して辿り着いた方も、以降の内容がそのまま役立ちますのでご安心ください。

なお、飲食店開業に必要な許認可全体(営業許可・防火管理者など)については、別記事の開業許認可まとめを参照してください。本記事は食品衛生責任者の取得方法に絞って詳しく解説します。


取得ルートは2通り|養成講習の受講 or 免除資格の活用

食品衛生責任者の取得方法には、大きく2つのルートがあります。自分がどちらに該当するかを最初に確認しておくことで、無駄なく手続きを進められます。

ルート①:養成講習会を受講する(前提資格なし)

特段の資格や学歴を問わず、原則として誰でも受講できます。ただし、東京都のように年齢制限を設けている地域もあります(東京都食品衛生協会は17歳以上が対象で、高校生は受講できません)。各都道府県の食品衛生協会等が実施する養成講習会に申し込み、1日(約6時間)の講習を修了すれば、食品衛生責任者の資格を取得できます。最もオーソドックスなルートであり、多くの開業予定者がこちらを選択します。

ルート②:免除対象資格を活用する

以下の資格を保有している場合は、養成講習会の受講が免除されます。

  • 調理師
  • 栄養士・管理栄養士
  • 製菓衛生師
  • 食品衛生監視員または食品衛生管理者の資格要件を満たす方(医師・歯科医師・薬剤師・獣医師はこちらに該当します)
  • 船舶料理士、と畜場法の衛生管理責任者・作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者 など

ただし、有資格者であることを施設側で証明する必要がある点には注意してください。多くの自治体では、独立した「免除申請」のような手続きは存在せず、営業許可申請の際に資格を証明する書類(免許証の写し等)を提示すれば足ります(例:大阪市は「特別な届出は不要で、許可申請時に資格証明書類を提出する」運用です)。一方で、一部の食品衛生協会では有資格者向けに「食品衛生責任者手帳」の交付申請(任意)を受け付けているところもあります。手続きの有無や内容は自治体・協会によって異なるため、管轄の保健所や食品衛生協会で事前に確認しておきましょう。

調理師免許を持っている方が見落としやすいポイントです。「免許があるからすべて自動で済む」と思い込み、営業許可申請の直前に必要書類を慌てて準備するケースが実際に起きていますので、資格証の写しなどは早めに用意しておくと安心です。


養成講習会の申し込みから修了証取得まで|費用・日程・オンライン受講を確認する

ルート①を選んだ場合、申し込みから修了証の取得までの流れを把握しておきましょう。

申し込み方法:窓口・ネット・書類の3択

申し込み窓口は、お住まいの都道府県の食品衛生協会等(都道府県知事等が行う、または適正と認める講習会の実施団体)です。各都道府県の食品衛生協会は、日本食品衛生協会とは別の独立した法人(一般社団法人・公益社団法人等)であり、申し込み方法も地域によって異なります。主に次の3つがあります。

  1. ウェブ(オンライン)申し込み:公式サイトからのネット申し込みに対応している協会があります。24時間受け付けており、最も手軽な方法です。
  2. 書面郵送:申込書を印刷・記入して郵送するケース。振込票と合わせて提出が必要な場合もあります。
  3. 窓口持参:協会の窓口に直接出向いて申し込む方法。一部地域ではこちらのみ対応の場合があります。

重要なのは申し込みのタイミングです。時期や地域によっては、数週間〜1か月以上先まで満席になることがあります。各協会の予約状況を確認のうえ、余裕を持って早めに申し込みましょう。

東京・大阪の日程と申し込み先

【東京の場合】

東京都内での受講を希望する場合は、一般社団法人東京都食品衛生協会が申し込み窓口となります。集合型(会場受講)の講習会は月に複数回開催されています。集合型の申し込みは、公式サイトから申込書をダウンロードして郵送する方式です。一方、eラーニング(オンライン)型の講習会も用意されており、こちらはウェブ上で申し込みが完結します。土日開催の有無は年度ごとの日程表で変わるため、公式サイトで確認してください。平日に受講しづらい方は、eラーニング型の活用も選択肢になります。

【大阪の場合】

大阪府内での受講は、公益社団法人大阪食品衛生協会が申し込み窓口です。教室型の講習会は公式サイトからオンラインで申し込むことができ、e-ラーニング型も提供されています。受講費用は10,500円(税込・確認時点)です。最新の日程や受講形態の詳細は、公式サイトで確認してください。

【地方都市(和歌山など)の場合】

開催頻度が月1〜2回程度と少ない地域では、希望する日程が埋まると次の機会まで数週間〜1か月以上待たされることがあります。地方での開業を予定している方は、特に早めの申し込みが重要です。年間のスケジュールが公式サイトに掲載されている協会も多いので、まず通年カレンダーを確認することをおすすめします。

いずれの地域も、日程や費用は年度ごとに更新されます。必ず各協会の公式サイトで最新情報を確認してください。

eラーニング受講と土日開催の可否・費用・修了証交付の日数

eラーニング(オンライン受講)について

東京・大阪をはじめとする多くの地域で、オンラインで受講できるeラーニングコースが用意されています(日本食品衛生協会経由で多数の県が対応しています)。移動時間が不要で、自分のペースで動画講義を視聴できるメリットがある一方、以下の点に注意が必要です。

  • 受講に使える端末が限定される場合があります(例:東京都は顔認証による本人確認のため、スマートフォンまたはタブレットに限定。PCでは受講できません)
  • 受講対象に地域要件がある場合があります(例:東京都は都内の食品関連施設勤務者または都内在住者、大阪は府内勤務者または府内在住者が対象)
  • オンライン修了後に確認テスト(理解度確認)が課される場合があります
  • 修了証の発行は後日交付となり、別途手続き(郵送や窓口受け取り)が必要な場合があります
  • 対応している都道府県とそうでない都道府県があります

eラーニングを希望する場合は、お住まいの地域の食品衛生協会がオンラインコースを提供しているか、受講要件を満たしているかを事前に必ず確認してください。

土日開催について

土日・祝日の講習日程の有無は、協会と年度によって異なります。地方の協会では平日のみの開催にとどまるケースも多いのが現状です。希望する曜日に開催があるかは年度の日程表で確認し、平日に時間を取りにくい場合はeラーニング型の受講も検討しましょう。

受講費用の目安

全国的な相場として、受講料とテキスト代を合わせて8,000〜12,000円程度が目安です。確認時点では、大阪は10,500円(税込)、東京は12,000円(受講料10,000円+教材費等2,000円)と、都道府県によって金額が異なります。改定されることもあるため、申し込み時に費用の内訳と支払い方法を確認しておきましょう。

講習時間と修了証の交付

講習は1日(約6時間)で完了します(例:東京都は9時45分〜16時30分、テストを含みます。eラーニングも標準学習時間は約6時間です)。修了証(食品衛生責任者証)の交付タイミングは、会場受講では当日交付が多い一方、eラーニング型や一部の都道府県では後日郵送で数日〜1週間程度かかるケースもあります。営業許可申請のスケジュールに関わるため、取得時期は余裕を持って計画しましょう。


開業スケジュールへの組み込み方|いつ申し込むべきか

食品衛生責任者の取得は、開業準備の中でも「後回しにしやすいが、後回しにしてはいけない」手続きの一つです。営業許可申請では、食品衛生責任者の資格を証明する書類の提出・提示を求められるのが原則だからです。

なお、多くの自治体では、申請時点で有資格者がいない場合でも、「後日速やかに講習会を受講し報告する」旨の誓約書等を提出すれば営業許可申請を進められる運用があります(例:東京都は許可申請様式の中に食品衛生責任者関係の誓約書様式を用意しており、大阪市も「速やかに受講し保健所へ報告する」運用を明記しています)。とはいえ、運用は自治体ごとに異なるため、原則は申請までに取得を済ませておき、間に合わない場合は管轄の保健所に相談するのが安全です。

逆算で考えると、次のタイムラインが目安になります。

タイミング

行動

開業予定日の3〜4か月前

養成講習会に申し込む

開業予定日の2〜3か月前

講習を受講・修了証を取得

開業予定日の1〜2か月前

修了証を持って営業許可申請

開業予定日まで

保健所の検査・許可証の交付を受ける

申し込みから受講日まで数週間〜1か月以上待ちになるケースを想定すると、開業予定日の3〜4か月前には申し込みを済ませておくのが安全圏です。「来月開業したいから来週受講しよう」という計画は、満席で叶わない可能性があります。

また、食品衛生責任者の修了証は、取得した都道府県以外でも原則として有効です。講習内容の全国標準化により、平成9年(1997年)4月1日以降に交付された修了証書は全国どこでも有効とされています。たとえば東京で講習を受けて取得した修了証は、大阪や福岡で飲食店を開業する際にもそのまま使えます。ただし、平成9年3月以前の古い修了証をお持ちの場合や、大阪市のように他協会の修了者に事前の保健所相談を求める自治体もあるため、不安な場合は管轄の保健所に確認してください。

営業許可申請の具体的な手順や必要書類については、飲食店の営業許可申請フロー解説記事も参考にしてください。


よくある質問(FAQ)

Q. 食品衛生責任者の資格はどうやって取得しますか?修了証(責任者証)はいつもらえますか?

各都道府県の食品衛生協会等が実施する養成講習会に申し込み、1日(約6時間)の講習を受講・修了することで取得できます。前提資格や学歴は不要ですが、東京都のように年齢制限(17歳以上・高校生不可)を設けている地域があります。修了証(食品衛生責任者証)の交付は会場受講では当日が多いですが、eラーニング型や一部の都道府県では後日郵送となり、数日〜1週間程度かかることもあります。営業許可申請前に手元に届くよう、余裕を持ったスケジュールで受講してください。

Q. 食品衛生責任者と食品衛生管理者の違いは何ですか?

食品衛生責任者は、一般的な飲食店・食品販売店などの施設ごとに選任が義務づけられた実務上の要件で、養成講習1日で取得できます。食品衛生管理者は、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師や大学で所定の課程を修めた方などを対象とした国家資格水準の要件で、食肉製品・乳製品などを製造・加工する特定施設にのみ配置義務があります。一般的な飲食店の開業では「責任者」の取得で対応でき、「管理者」の資格は必要ありません。

Q. 養成講習会はオンライン(eラーニング)で受講できますか?

東京・大阪をはじめ多くの地域でeラーニングコースが提供されており、オンラインで受講することが可能です。ただし、すべての都道府県で対応しているわけではなく、東京都のように使用端末がスマートフォン・タブレットに限定される場合や、都内・府内の在住者・勤務者といった受講対象の地域要件がある場合、修了後に確認テストや修了証の別途手続きが必要なケースもあります。お住まいの地域の食品衛生協会の公式サイトで、オンラインコースの有無と受講要件を必ず確認してください。

Q. 講習の申し込みはインターネットからできますか?

協会によって異なります。大阪食品衛生協会のように教室型でもオンライン申し込みに対応している協会がある一方、東京都食品衛生協会の集合型講習会のように、申込書をダウンロードして郵送する方式の協会もあります(東京のeラーニング型はウェブで完結します)。まず各都道府県の食品衛生協会の公式サイトで申し込み方法を確認し、早めに手続きを済ませましょう。

Q. 土日に開催している養成講習会はありますか?

土日・祝日の開催有無は、協会および年度の日程表によって異なります。地方都市では平日のみの開催にとどまる協会も多いのが実情です。希望する曜日・日程の有無は各協会の公式サイトで年間スケジュールを早めに確認し、平日に受講できない場合はeラーニング型の受講も検討してください。

Q. 調理師免許や栄養士資格があれば講習は免除されますか?

はい、調理師・栄養士・管理栄養士・製菓衛生師のほか、食品衛生監視員や食品衛生管理者の資格要件を満たす方(医師・歯科医師・薬剤師・獣医師など)、船舶料理士などの資格保有者は養成講習会の受講が免除されます。手続きについては、多くの自治体では営業許可申請の際に資格を証明する書類(免許証の写し等)を提示すれば足り、独立した免除申請は不要です。一部の協会では任意で「食品衛生責任者手帳」の交付申請を受け付けています。運用は自治体・協会により異なるため、管轄の保健所等で確認してください。

Q. 受講費用はいくらかかりますか?

全国的な相場は、受講料とテキスト代を合わせて8,000〜12,000円程度です。確認時点では大阪が10,500円(税込)、東京が12,000円(テキスト代込)と、都道府県によって金額が異なり、改定されることもあります。申し込み時に最新の費用の内訳と支払い方法(振込・当日現金払い等)を確認しておくとスムーズです。

Q. 講習から修了証の取得まで何日かかりますか?

講習自体は1日(約6時間)で完了します。会場受講の場合、修了証は講習当日に交付されるケースが最も多いですが、eラーニング型や一部の都道府県では後日郵送となり、数日から1週間程度かかることがあります。営業許可申請の直前にならないよう、受講日から修了証の取得までの日数を事前に確認し、スケジュールに織り込んでおくことをおすすめします。

Q. 食品衛生責任者の資格は全国どこでも使えますか(他府県への転用は可能ですか)?

原則として全国で有効です。講習内容の全国標準化により、平成9年(1997年)4月1日以降に交付された修了証書は全国どこでも有効とされており、東京で取得した修了証を持って大阪や地方都市で開業する場合も、改めて講習を受け直す必要はありません。ただし、平成9年3月以前の古い修了証をお持ちの場合や、他協会の修了者に事前相談を求める自治体(大阪市など)もあるため、念のため開業先の管轄保健所に確認しておくと安心です。


本記事の金額・制度情報は執筆時点の目安です。実際の費用は業態・規模・地域・時期により異なり、補助金・融資・許認可・税の最新かつ正確な情報・要件は各公式(日本政策金融公庫・中小企業庁・各自治体・税務署等)で必ずご確認ください。


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