2026721

【完全ガイド】飲食店開業に必要な許認可・届出一覧|条件・設備基準・費用・申請の流れ

飲食店開業に必要な許認可・届出の全体像を徹底解説。飲食店営業許可の取得条件・設備基準・必要書類・費用・申請の流れから、自宅・キッチンカー・イベント出店など業態別の要件、菓子製造許可など追加許可が必要なケースや無許可営業のリスクまでを網羅。初めての開業でも迷わないチェックリスト付き完全ガイド。

【完全ガイド】飲食店開業に必要な許認可・届出一覧|条件・設備基準・費用・申請の流れのヘッダー画像

「飲食店を開業したいけれど、何から手を付ければいいか分からない」「どこに何を申請すればいいのか整理できない」——そのような疑問や不安を持つ、初めての開業オーナーの方は多いはずです。この記事では、許認可・届出の全体像から飲食店営業許可の取得条件・費用・設備基準、業態別(自宅・キッチンカー・イベント出店)の要件、さらに無許可営業のリスクまで、開業前に知っておきたい情報を一通り解説します。

飲食店開業に必要な許認可・届出の全体像

許認可・届出の一覧(申請先別)

「飲食店営業許可を1本取れば開業できる」と思っていませんか。これは初めてお店を開く方がもっとも陥りやすい誤解です。実際には、業態・規模・営業スタイルによって複数の窓口への手続きが重なります。まず全体像を把握することが、スムーズな開業への第一歩です。

下表は申請先ごとの代表的な許可・届出をまとめたものです。

申請先

主な許可・届出

備考

保健所

飲食店営業許可(必須)

すべての飲食店に共通

保健所

菓子製造業許可・食肉販売業許可 など

業態に応じて追加

消防署

防火管理者選任届・消防計画作成・提出

収容人員等の条件による

警察署

深夜酒類提供飲食店営業開始届

深夜0時以降に酒類を提供する場合

税務署

個人事業の開業届

個人事業主として開業する場合

このうち保健所への飲食店営業許可が中核であり、省略できる手続きではありません。他の届出は「収容人数が一定以上か」「深夜営業をするか」「個人事業主か法人か」といった条件によって要否が変わります。本記事ではこの構造を俯瞰したうえで、各手続きのポイントを順に解説します。

食品衛生法改正(2021年6月施行)後の許可業種・届出業種

2018年(平成30年)に成立した改正食品衛生法が2021年(令和3年)6月1日に施行され、食品営業に関する業種区分が再編されました。改正前は法定の34業種に加えて自治体の条例による独自の許可業種が存在していましたが、これが全国統一の「32の許可業種」と「届出業種」、そして「届出不要の業種」の3区分に整理されています。

許可業種に該当する営業には、保健所への営業許可申請と施設検査が必要です。届出業種は許可こそ不要ですが、営業開始前に保健所への届出が求められます。飲食店開業に関係する代表的な業種は以下のとおりです。

区分

業種名

主な内容

許可業種

飲食店営業

飲食物の調理・提供を行うすべての店舗

許可業種

菓子製造業

焼き菓子・和菓子・パン等の製造販売

許可業種

そうざい製造業

惣菜・弁当等の製造販売

許可業種

食肉販売業

精肉・加工肉の販売

許可業種

魚介類販売業

鮮魚・刺身等の販売

届出業種

乳類販売業

牛乳・乳製品の販売

届出業種

野菜果物販売業

青果の販売(加工なし)

なお、乳類販売業は改正法の施行(2021年6月1日)にともない許可業種から届出業種に移行しています。また、食肉販売業・魚介類販売業についても、容器包装に入れられた状態の食肉や鮮魚介類のみを仕入れてそのまま販売する形態は届出業種に移行しているため、自分の販売スタイルがどちらに当たるかは確認が必要です。自分の営業スタイルがどの業種に該当するかは、管轄保健所への事前相談で確認するのが最も確実です。

業態・規模によって追加される主な届出

どの届出が「自分に必要か」を判断するうえで、次の3つの軸が基準になります。

  • 収容人数:飲食店は特定防火対象物にあたり、従業員を含めた収容人員が30人以上の場合、消防法に基づき防火管理者の選任と消防計画の作成・届出が原則として必要になります(延べ面積300㎡以上か未満かで甲種・乙種の区分が分かれます)。
  • 営業時間帯:深夜0時以降も営業して酒類を提供する場合(いわゆる深夜酒類提供飲食店)は、風営法に基づき、営業開始の10日前までに管轄警察署へ届出が必要です。
  • 事業形態:個人事業主として開業する場合は、開業日から1か月以内に税務署へ「個人事業の開業届」を提出します(青色申告を選択するなら青色申告承認申請書もあわせて提出。提出期限は後述のチェックリストをご参照ください)。

これらはそれぞれ独立した手続きです。保健所の許可が下りたからといって、消防署や税務署への届出が自動的に完了するわけではない点に注意してください。

→ 防火管理者選任届・消防計画の詳しい手続きについては「防火管理者選任届の手続きガイド」をご覧ください。深夜酒類提供飲食店営業の届出については「深夜酒類提供飲食店営業開始届の手続きガイド」を、個人事業の開業届については「個人事業の開業届の書き方・提出方法ガイド」をあわせてご参照ください。

地域(保健所)によって条件・費用が異なる点

日本では食品衛生法に基づく施設基準の細部や申請手数料を、都道府県・保健所が条例によって定めています。そのため、同じ飲食店営業許可でも東京都と大阪市では設備要件の表現や手数料が異なります

東京都の場合、特別区・多摩地域の多くの自治体で、飲食店営業の新規申請手数料は18,300円にほぼ統一されています(自治体により異なる場合があります。移動営業・臨時営業などは別の額が定められています)。施設基準においては、手洗い専用シンクの設置位置や二槽式シンクの要件について都独自の指針が設けられており、申請時に提出する平面図の記載内容も事前に窓口へ確認しておくとスムーズです。

大阪市の場合、飲食店営業の新規許可申請手数料は16,000円(定額)です。大阪市は施設設備を自分で確認できる資料を公開しており、事前相談時に活用すると効率的です。グリストラップの設置基準など運用の細部は窓口で確認できるため、事前相談が特に重要です。

「他の地域の事例をそのまま自分の物件に当てはめる」と、検査時に指摘を受けて内装の手直しが発生するケースもあります。インターネット上の情報はあくまで参考にとどめ、必ず管轄保健所の公式情報を確認し、事前相談を活用してください。

→ 東京都での申請手順と最新の手数料、大阪市での手続き詳細については、それぞれの管轄保健所の公式情報をご覧ください。


飲食店営業許可の取得条件・設備基準と申請の流れ

取得の前提条件(食品衛生責任者・施設要件)

飲食店営業許可を取得するために満たすべき条件は、大きく2つです。

① 食品衛生責任者の設置 店舗ごとに1名、食品衛生責任者を置く必要があります。資格は都道府県知事等が行う(または指定する)養成講習会(概ね1日・計6時間程度)を修了することで取得でき、実施団体としては各都道府県の食品衛生協会が担っているケースが多くなっています。東京都などではeラーニングでの受講も可能です。調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格保有者は講習会が免除されます。

② 基準を満たした施設であること 保健所の施設検査に合格する必要があります。内装工事の完了後に申請・検査という流れのため、着工前に保健所へ事前相談することが必須です。設計段階でアドバイスをもらうことで、工事後の手直しリスクを大幅に減らせます。

→ 食品衛生責任者の資格取得方法や講習会の日程については「食品衛生責任者の資格取得ガイド」をあわせてご覧ください。

施設基準の主なチェックポイント

施設基準は地域によって異なりますが、多くの保健所で共通して確認される主な項目は以下のとおりです。

  • 手洗い専用シンクの設置:調理用シンクとは別に、手洗い専用の設備が必要です。厨房内に1台、規模によってはホール側にも求められる場合があります。
  • 調理用シンクの槽数:食器洗浄・調理・下処理を分けることを想定し、2槽以上を求められるケースが多いです(地域差あり)。
  • 冷蔵・冷凍設備:食材の適切な温度管理のため、冷蔵・冷凍設備の設置が必要です。
  • トイレの要件:客席と厨房から明確に区分され、手洗い設備を備えていることが求められます。
  • 区画の明確化:調理場と客席・倉庫・トイレ等の区画が明確に分かれていることが必要です。
  • 照明・換気設備:換気扇・照度基準を満たす照明の確保も確認項目です。

繰り返しになりますが、これはあくまで一般的な目安です。正式な要件は管轄保健所へ事前相談して確認してください。

→ 施設基準の詳細と厨房レイアウトのポイントについては「飲食店営業許可 施設基準の詳細ガイド」をご覧ください。

必要書類と申請手続きの流れ

申請時に主として必要な書類は以下のとおりです。

  • 営業許可申請書
  • 施設の平面図(設備の配置が分かるもの)
  • 食品衛生責任者の資格証明書(養成講習会修了証・調理師免許など)
  • 登記事項証明書(法人の場合)
  • 水質検査成績書(井戸水を使用する場合)

申請の大まかな流れは次の5ステップです。

  1. 事前相談:管轄保健所に図面を持参し、施設基準の確認を受ける
  2. 内装工事・設備設置:事前相談の内容を反映して工事を完了させる
  3. 申請書類の提出:保健所窓口に必要書類と手数料を持参して申請(厚生労働省の「食品衛生申請等システム」による電子申請に対応している自治体もあります)
  4. 施設検査:保健所職員が現地を訪問し、基準を満たしているか確認
  5. 許可証の受領:検査合格後、許可証が交付される

書類の詳細な記入方法や入手先は、管轄保健所の窓口または公式サイトで確認できます。

→ 申請書類の書き方や平面図の作成方法については「飲食店営業許可 申請書類の書き方ガイド」をご参照ください。

費用・審査期間の目安

申請手数料は都道府県・業態によって異なりますが、概ね15,000〜25,000円程度が目安として多く見られます(例:東京都内の多くの自治体は18,300円、大阪市は16,000円)。施設検査から許可証の受領までは数日〜2週間程度(自治体により異なる)が目安で、申請から交付までの全体では2〜3週間程度を見込んでおくと安心です。

開業スケジュールを組む際は、「内装完了→申請→検査・交付待ち→許可証取得→開業」という流れを前提に、許可取得の待機期間を必ず盛り込んでください。工事の遅延も考慮すると、内装完了の予定日から逆算して少なくとも3〜4週間の余裕を持たせることが現実的です。

→ 地域ごとの手数料の詳細については「都道府県別 飲食店営業許可 手数料一覧」をあわせてご確認ください。


業態別の許可要件——自宅・キッチンカー・イベント出店

自宅での飲食店開業に必要な条件

自宅の一角でカフェ営業や焼き菓子の販売を始めようとする場合でも、飲食店営業許可は必須です。「自分が住んでいる場所だから許可は不要」という認識は誤りです。

自宅開業でとくに厳しく見られるのが「住居部分と厨房の区画分離」です。具体的には、生活スペースと調理場を壁や扉などで明確に区分し、調理場への専用動線が確保されていることが求められます。家庭用キッチンをそのまま使うことは、多くの保健所で認められていません。

自宅開業は初期費用を抑えやすい反面、施設基準をクリアするためのリフォームが想定以上に必要になるケースもあります。計画の初期段階で管轄保健所へ相談し、実現可能性を確認してから具体的な準備を進めることを強くお勧めします。

→ 自宅開業に必要な内装要件や区画分離の具体例については「自宅で飲食店を開業する方法ガイド」をご覧ください。

キッチンカー(移動販売)の許可要件

キッチンカーで営業する場合も、飲食店営業許可(または自治体が定める移動販売に対応した業種許可)の取得が必要です。固定店舗と大きく異なる点は、車両そのものが「施設」として審査を受けることです。

主な違いをまとめると以下のようになります。

比較軸

固定店舗

キッチンカー

許可単位

店舗ごと

車両ごと

給排水設備

固定配管

タンク式が多い(容量基準あり)

営業エリア

固定

自治体をまたぐ場合は各保健所へ要確認

メニュー制限

比較的柔軟

調理工程の複雑さで制限される場合あり

2021年6月に施行された改正食品衛生法により施設基準が全国的に平準化され、広域での営業はしやすくなりましたが、依然として営業地の管轄ごとに許可・確認が必要という運用が一般的です。複数の自治体で営業する場合は、それぞれの管轄保健所に確認してください。

→ キッチンカーの車両要件や複数自治体での営業手続きについては「キッチンカー開業の許可取得ガイド」をご覧ください。

イベント出店・臨時営業の許可と許可不要なケース

マルシェや地域イベントへの出店を検討している方も、原則として保健所への手続きが必要です。既存の飲食店営業許可を持っている場合でも、許可証の「営業の種類」や「営業の場所」の範囲外での販売は別途確認が必要なことがあります。

許可が不要とされる代表的なケースは以下です。

  • 非営利目的の試食・試飲提供(対価を受けない場合)
  • PTA・地域団体が自己消費を目的に行う調理(反復継続しない場合)

ただしこの「不要ケース」の線引きは自治体によって解釈が異なります。「小さくテストしたい」「1回だけ出店したい」という場合も、まずイベント主催者と管轄保健所の両方に確認するのが安全です。無許可で出店してしまうと食品衛生法違反となるリスクがあります。

→ マルシェ・イベントへの臨時出店に必要な手続きについては「イベント出店・臨時営業の許可取得ガイド」をご参照ください。


飲食店営業許可の範囲と追加許可・無許可営業のリスク

飲食店営業許可でできること・できないこと

飲食店営業許可の範囲について、混乱しやすい境界線を整理します。

許可の範囲内(追加許可不要)

  • 店内での飲食提供
  • テイクアウト・デリバリー(店内調理した料理をそのまま提供する形態)
  • コース料理・ビュッフェ形式の提供

別途許可が必要になる主なケース

  • 焼き菓子・スイーツ・パンを製造し、不特定多数に継続的に販売する→菓子製造業許可が必要
  • 深夜0時以降に酒類を提供する→深夜酒類提供飲食店営業開始届(警察署)
  • 酒類を小売販売する→酒類販売業免許(税務署)

よく誤解されるのが「テイクアウトでお菓子を売るだけなら飲食店営業許可でOKでしょ?」というケースです。営業形態が「継続的な製造販売」と判断されると菓子製造業許可が必要になります。グレーゾーンと感じたら保健所への確認が最も確実です。

→ 飲食店営業許可の適用範囲とグレーゾーンの判断基準については「飲食店営業許可でできること・できないこと 詳細ガイド」をご覧ください。

菓子製造許可など追加許可が必要な主なケース

追加の食品営業許可が必要になる代表的なシナリオを以下に示します。

  • スイーツ・焼き菓子・パンの継続販売:菓子製造業許可(保健所)
  • 食肉の販売:食肉販売業許可(保健所)※容器包装入りの食肉のみをそのまま販売する形態は届出
  • 鮮魚・刺身の販売:魚介類販売業許可(保健所)※容器包装入りの鮮魚介類のみをそのまま販売する形態は届出
  • チーズ・バター等の乳製品の製造:乳製品製造業許可(保健所)
  • アイスクリームの製造:アイスクリーム類製造業許可(保健所)

なお、牛乳・乳製品を仕入れて販売するだけの「乳類販売業」は、2021年6月の改正法施行により許可ではなく届出の対象となっています。

「飲食店営業許可+菓子製造業許可」を同一厨房で両方取得するケースも存在します。この場合、同一の設備・作業台を兼用できるかどうかは保健所によって判断が異なります。設備の兼用を前提にした間取りを設計する前に、必ず管轄保健所に設備の同一使用が認められるか確認してください。

→ 菓子製造業許可の取得条件や申請手続きについては「菓子製造業許可の取得ガイド」をご覧ください。

無許可営業のリスクと罰則

食品衛生法では、必要な営業許可を取得せずに食品の製造・販売・提供を行うことを禁じています。違反した場合の罰則は、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金です(食品衛生法第82条。2025年6月施行の刑法等改正により、従来の懲役刑は拘禁刑に一本化されています)。なお、法人の場合は両罰規定により法人にも罰金刑が科され得ます。

「バレなければ大丈夫」という考えは禁物です。近隣住民や競合他社からの通報、SNSへの投稿をきっかけにした行政調査が行われることは珍しくなく、摘発事例は実際に報告されています。営業停止処分を受ければ、内装・設備に投じた費用がすべて無駄になります。

不明点があれば、まず保健所の事前相談窓口に問い合わせることが最善策です。相談は無料で、アドバイスをもらうこと自体が違反にはなりません。


開業前チェックリスト

開業前に必要な届出・許可を漏れなく確認するために、以下の一覧表を活用してください。「自分に必要かどうかの判断軸」の列を参考に、該当する手続きを確認してください。

届出・許可名

申請先

提出タイミング

自分に必要かどうかの判断軸

飲食店営業許可

保健所

内装完了後・開業前(許可取得後に開業)

すべての飲食店に必須

防火管理者選任届・消防計画作成届

消防署

開業前

収容人員が30人以上の場合(用途・構造により異なる)

深夜酒類提供飲食店営業開始届

警察署

営業開始の10日前まで

深夜0時以降に酒類を提供する場合

個人事業の開業届

税務署

開業日から1か月以内

個人事業主として開業する場合

青色申告承認申請書

税務署

開業日から2か月以内(その年1月16日以後に開業した場合。1月1日〜15日の開業や既存事業者の切り替えはその年の3月15日まで)

青色申告を選択する場合(節税効果あり)

菓子製造業許可

保健所

内装完了後・開業前

焼き菓子・和菓子・パン等を継続的に製造・販売する場合

そうざい製造業許可

保健所

内装完了後・開業前

惣菜・弁当を製造販売する場合

食肉販売業許可

保健所

内装完了後・開業前

精肉・加工肉を販売する場合(容器包装入りのみの販売は届出)

酒類販売業免許

税務署

開業前(審査に数か月かかる場合あり)

酒類を小売販売する場合

※上記はあくまで代表的な届出・許可の一覧です。業態・規模・営業スタイルによって必要な手続きが増える場合があります。詳細は管轄の保健所・消防署・警察署・税務署にご確認ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 飲食店を開業するのに許認可は必要ですか?どんな許認可が必要ですか?

はい、必要です。すべての飲食店は保健所への飲食店営業許可が基本となります。それに加え、収容人数が多い場合は消防署への防火管理者選任届、深夜に酒類を提供する場合は警察署への届出、個人事業主として開業する場合は税務署への開業届が必要になります。業態・規模によって求められる手続きが変わるため、本記事の一覧表を参照しながら自分のケースを確認してください。

Q2. 飲食店営業許可の取得条件は何ですか?

主な条件は2つです。①食品衛生責任者を1名設置すること(養成講習会の修了が一般的な取得方法)、②保健所が定める施設基準を満たした厨房・設備を持つことです。施設基準は地域によって異なるため、内装工事の前に管轄保健所へ事前相談することが必須です。詳細は本記事「取得の前提条件」のセクションをご覧ください。

Q3. 飲食店営業許可に必要な設備基準とは?シンク数・冷蔵庫・トイレの要件は?

代表的な確認項目は、手洗い専用シンクの設置、調理用シンクの槽数(2槽以上が多い)、冷蔵・冷凍設備の設置、客席・厨房から区分されたトイレ(手洗い設備付き)などです。ただし具体的な基準は都道府県・保健所によって異なります。本記事のチェックポイントはあくまで目安として活用し、正式な要件は管轄保健所に必ず確認してください。

Q4. 飲食店営業許可の申請にかかる費用・期間はどれくらいですか?

申請手数料は都道府県・業態によって異なりますが、概ね15,000〜25,000円程度が目安です(例:東京都内の多くの自治体は18,300円、大阪市は16,000円)。施設検査から許可証の受領までは数日〜2週間程度(自治体により異なる)かかります。開業日から逆算して余裕を持ったスケジュール設定が重要です。

Q5. 自宅で飲食店を開業する場合も飲食店営業許可は必要ですか?

はい、自宅開業でも飲食店営業許可は必須です。さらに、住居部分と厨房を壁・扉などで明確に区分する設備要件が求められます。家庭用キッチンをそのまま使うことは多くの保健所で認められていないため、事前相談で現実的な計画を確認することが重要です。詳細は本記事「自宅での飲食店開業に必要な条件」をご参照ください。

Q6. 飲食店営業許可でできないこと・できることは何ですか?

テイクアウト・デリバリーは基本的に飲食店営業許可の範囲内です。一方、焼き菓子・スイーツ・パンを製造して不特定多数に継続販売する場合は、別途菓子製造業許可が必要です。深夜0時以降の酒類提供には警察署への届出も必要です。境界線が曖昧な場合は保健所に確認するのが確実です。

Q7. 飲食店営業許可と菓子製造許可は両方必要なケースがありますか?

あります。たとえば、カフェを運営しながら店頭で焼き菓子を販売する場合、飲食店営業許可だけでなく菓子製造業許可も取得が求められることがあります。同一厨房での兼用設備が認められるかどうかは保健所によって判断が異なります。詳細は本記事「菓子製造許可など追加許可が必要な主なケース」をご参照ください。

Q8. イベント出店やキッチンカーでも飲食店営業許可は必要ですか?

原則として必要です。キッチンカーは車両ごとに許可が必要で、複数の自治体で営業する場合は各保健所への確認が求められます。イベント出店も既存の許可範囲外で販売する場合は別途手続きが必要です。業態・自治体によって申請区分が異なるため、詳細は本記事「業態別の許可要件」のセクションを参考にしてください。

Q9. 飲食店営業許可が不要なケースはありますか?

非常に限定的なケースに限られます。対価を受けない非営利の試食・試飲提供や、PTA・地域団体が反復継続しない自己消費目的で行う調理などが該当する場合があります。ただし「不要」の判断基準は自治体によって異なるため、少しでも迷ったら必ず管轄保健所に確認することを強くお勧めします。

Q10. 無許可で飲食店を営業するとどのような罰則がありますか?

食品衛生法違反として、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が定められています(2025年6月施行の刑法等改正により、懲役刑は拘禁刑に一本化されています)。通報や行政調査が入れば営業停止処分を受けるリスクもあり、設備・内装への投資が無駄になりかねません。「グレーかもしれない」と感じた段階で、まず保健所の事前相談窓口に問い合わせてください。相談自体は無料で、違反にもなりません。


まとめ:開業許可は「事前相談」と「逆算スケジュール」が鍵

飲食店開業に必要な許認可・届出は、飲食店営業許可を中心に、業態・規模・営業スタイルによって複数の手続きが重なります。全体を通じて特に重要なポイントは、次の2点です。

① 内装工事の着工前に管轄保健所へ事前相談する 施設基準は地域によって異なります。設計段階で保健所のアドバイスを受けることで、工事後の手直しや検査での指摘を防げます。「どこに相談すればよいか分からない」という場合も、まず管轄保健所の窓口へ連絡するのが最善の一歩です。

② 開業日から逆算して許可取得の待機期間を組み込む 施設検査から許可証の受領まで数日〜2週間程度(自治体により異なる)かかります。工事の遅延リスクも考慮すると、内装完了の予定日から少なくとも3〜4週間の余裕を持ったスケジュールが現実的です。「許可が取れたら開業」という感覚ではなく、逆算して準備を進めてください。

許可取得の手続きは複雑に見えますが、事前相談を活用すれば一つひとつ確実にクリアできます。本記事の各セクションや詳細ガイドを参考に、自信を持って開業準備を進めてください。


本記事の金額・制度情報は執筆時点の目安です。実際の費用は業態・規模・地域・時期により異なり、補助金・融資・許認可・税の最新かつ正確な情報・要件は各公式(日本政策金融公庫・中小企業庁・各自治体・税務署等)で必ずご確認ください。


あわせて読みたい

開業準備のヒントになる記事をピックアップしました。